生活の批評誌no.5「そのまま書く」のよりよいこじらせ方

生活の批評誌no.5「そのまま書く」のよりよいこじらせ方

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企画・編集・DTP:依田那美紀
装画:平田基
中面挿絵:ぶんちん
判型など:B5判、縦書き、92P

発行:2022年5月25日

 

「そのまま書く」から離れたくて、離れられなくて、あいまいなままここまできた。

個人的な体験や感情を直接的な言葉で記述すること、自分について「そのまま書く」ことは、文学において、あるいはこの社会において、どこかうっすらと軽んじられてきたように思う。それでも今、ほんの一部かもしれないけど、小さな個人の小さな声を聞き合おうとする方向へと、この社会は進みつつある。

だが、その流れに勇気づけられながらも私は、「どんどん自分のことを書こう」と手放しに言うことができない。ひたすら何かにためらい、何かを危惧しているのだった。
その警戒心を決して的外れとは思わない。しかしそのありふれた危惧は、少しでも油断すれば根深く私たちの中に巣食う「そのまま書く」ことに対する蔑みへと——それは強い何者かにとって都合がいい——簡単に回帰してしまうだろう。

「そのまま書く」ことをなんのためらいもなく称揚するのでもなく、蔑みとも絶対的に距離を取った、「そのまま書く」に対する別の態度はないだろうか。それはきっと傍目から見ればこじらせた態度であるだろう。ならば追求すべきは、”よりよいこじらせ方”だ。

そう呼びかけて、この号を作った。9作品と1インタビュー、1座談会を収録。

(編集長 依田那美紀)

 

■目次(掲載順)

・皮のにおい |Ingvill Kjærstein (イングヴィル・シャースタイン) 

・「そのまま書く」をそのまま書く |niina 

・政治的な物語から個人的な物語を守り、分有するために |佐々木ののか

・インタビュー:自分語りをさまよって |滝薫

・当世書生気質令和編 |呉樹直己 

・返信 ——わたしの〝こじらせ〟について |川口好美  

・座談会:フィクションと「そのまま書く」がともにあるために   
 井上彼方×オーガニックゆうき×依田那美紀

・教室のうしろの席から |原告A    

・幸福の表明を破る |依田那美紀   

・#147⏺ ⏸ ⏹ |黒嵜想

・十年後の返信 |遠藤のぞみ

・広告:非実用品店めだか



(版元サイトより)

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