*終了*【2021.8.7 - 2021.8.20】Kanji Okuoka 写真展 「LIGHT-TIME COLLECTION」

Kanji Okuoka 写真展
「LIGHT-TIME COLLECTION」


2021.8.7 - 2021.8.20
at TOUTEN BOOKSTORE @touten_bookstore



2020年の暮れ、友人に結婚写真を依頼されたとき、結婚という節目に対して、普段の生活に焦点を当てたいと思った。当たり前に過ぎ去ってしまう日々の営みが、結婚という非日常の根底にある。彼らの眼にわたしの眼を重ね合わせ、そのズレを通して、日常を包むものの所在を問う。

そんな中、2016年から2017年にかけて沖縄の南西諸島である八重山で暮らした記憶が蘇る。わたしは、八重山の人々の風土と共にある暮らしに衝撃を受けた。観光業をはじめとした生業に支えられながら、同時に知性や理解を超えた世界(=眼に見えない世界)の上に全体が成り立っていること。土壌に根を張って生きる人々の言葉には重みがあり、生きる基本形を見たように感じた。

さて、これらの時間軸、空間、どれもが一見バラバラな体験と思考は、形なきものが形あるものを支えているという構造において、共通していないだろうか?
前者では、(日常) と (非日常) との関係、後者では、(眼に見える世界) と (眼に見えない世界) との関係において、 (非日常) / (眼に見える世界) を「図」、 (日常) / (眼に見えない世界) を「地」とすると、図の地との反転を通して、地を地として輝きにあふれたものとする感覚である。

この構造を “わたし” に置き換える。
わたしたちは普通、わたしというものをその身体性において理解している。しかし、実際にはそれは身体の輪郭を超えて、ある拡がりをもった空間を含むものかもしれない。身体という図と、環境や他者という地を含む、二が一であり、一がニである空間である。
つまり、友人夫婦の生きる世界と八重山の世界、わたしの世界との関係は、異界の遠い場所ではなく、それぞれが地続きで関係する可能性があるということ。
このような日常感覚の奥行きがある世界をわたしたちが生きている限り、自分の身体を(環境や他者という)偶然に委ねながら、動かしていくこと自体に意味がもてるのではないだろうか。そして、偶然性を受け入れる中にあってこそ、“わたし” は “あなた” に接近できるのかもしれない。

 

 

●日常を味わう読書会について

読書会というと、ハードルを高く感じる方が多いと思う。課題図書があったり、それに対する読みの深 さ浅さのプレッシャーがあったり。私自身そんなハードルを感じるひとり。だからこそ、普段読書をしないような人、いままで本を読んできていない人でも参加できる読書会をと思い、企画しました。

日常を味わう読書会は、来てみるまでどんな本がセレクトされているのかわからないのがポイント。当日集まった他者と、同じ時間に同じ本を読み、それについて話す、という段取りとなります。 具体的には、選んだ本の一部分を十分な時間をかけて読み(例えば 5 分 -10 分ほどで読める分量を 15 分程かけて読む)、その後みんなで読んだ文章について話します。(この読んで、話すというサイクルを複数回繰り返す。)

本の良いところは、そのときそのタイミングで出会うべきコトバに出会うときがあることだと思います。なにかに行き詰まっているとき、迷いがあるとき、そんなコトバがそっと背中を押してくれることがあルと思います。 読んで、考えて、話す、ということを通して、日常の外にあるもの(普段選ばない本や、普通に暮らしている中で出会わない人)との出会いが、新しいコトバとの出会いに繋がり、それがまた新しい本や思考、 世界へと繋がっていく。そんな場になればいいと思っています。

なお、今回の読書会では、展覧会のテーマに関連のある本を選び、展覧会の内容も混じえながらお話できたら良いと思っています。
どなたでも、お気軽にご参加ください!

※選んだ本の一部分を十分な時間をかけて読んでいきます。
読むスピードが遅くても、全然大丈夫!

※読んだ後の対話の時間、もしなにも感じなかったらそれはそれでいい!なにも話さなくていいです。
その代わり、他の方の意見を聞いて新しい見方を得たり、自分の考えが変わっていくのを楽しんでください。